アメリカの半導体大手NVIDIA(エヌビディア)のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、ロサンゼルスで開催されたイベントにおいて、トランプ前大統領と電話で会談したと発表しました。会談ではAI(人工知能)の安全性について意見が交わされたほか、フアンCEOが未発売の端末を披露したことにも注目が集まっています。
フアンCEOは、トレードマークであるワニ革のジャケット姿でステージに登壇しました。その際、およそ5週間後に発売が予定されているアップル(Apple)の未発売の折りたたみ式スマートフォンを受け取り、電話に応答したということです。大統領経験者との対話中に未発表のハードウェアを披露したことは、同社の影響力を示す狙いがあるとみられています。
スピーカーフォンを通じて行われた対話では、AIの安全性が主な議題となりました。トランプ前大統領は、AIに対する過度な懸念を「でっち上げ」であると主張しています。さらに、こうしたパニックによって利益を得ているのは中国や一部の政治関係者であると指摘し、「AIはインターネットよりも大きな存在であり、開発の歩みを止めるべきではない」との考えを示しました。これに対し、フアンCEOは会場の拍手を伝え、同調する姿勢を見せたということです。
フアンCEOの個人的な見解は明らかではありませんが、NVIDIAの事業は、AI研究機関による半導体の継続的な購入に大きく依存しています。そのため、AIがもたらすリスクを小さく見せることは、自社の株価を維持するための戦略的な方針であるとみられています。同社の株価は過去1年間で33%上昇しているものの、イベント当日は数パーセント下落したということです。
トランプ前大統領との予期せぬ会談に大きな関心が寄せられる一方で、フアンCEOが手にしていた1999ドル(約31万円)のスマートフォンにも注目が集まりました。アップルは10年前に自社端末へのNVIDIA製ハードウェアの採用を取りやめています。しかし現在、独自のAI機能「Apple Intelligence」の一部を稼働させるために、再びNVIDIAの技術を必要としている現状が示されたとしています。
