オランダのシュールズマ貿易相は今週、アメリカを訪問し、中国への半導体製造装置の輸出を規制する新たな法案について、アメリカ政府や議会に懸念を伝えたと発表しました。
シュールズマ貿易相は、アメリカのルトニック商務長官や連邦議会の議員らと会談しました。この会談は、中国の半導体メーカーが欧米の製造装置を入手することを禁じる「MATCH法案」に反対するためのものだということです。この法案が成立した場合、オランダの半導体製造装置大手「ASML」が特に大きな打撃を受けるとみられています。
ASMLは、ヨーロッパで最大の時価総額を誇る企業です。最先端のAI(人工知能)向け半導体の製造に不可欠な、高度な露光装置を世界で唯一製造しています。
シュールズマ貿易相は一連の会談後、メディアの取材に対し「議会に私たちの懸念を説明するためアメリカを訪れたのは異例のことです。オランダにとって、非常に大きな影響を及ぼす可能性があります」と述べたということです。
ASMLのシステム売上高のうち、中国市場は19%を占めています。現在、最先端のEUV(極端紫外線)露光装置の中国への輸出はすでに禁止されています。しかし、「MATCH法案」は既存の規制をさらに強化するもので、DUV(深紫外線)液浸露光装置も新たに輸出制限の対象にする方針です。
ASMLのクリストフ・フーケCEO(最高経営責任者)は今年5月、現在中国が購入できるのは、およそ10年前に初めて出荷された旧世代のDUV装置のみだとしています。新たな法案は、こうした旧世代の装置までも規制の対象にするものだということです。
この法案は今年4月に提出されましたが、現時点では連邦議会の上下両院での採決には至っていません。アメリカのメディアは、法案を成立させるためには、より規模の大きい包括的な法案に組み込む必要があると報じています。
