アメリカのIT大手アップルが、自社の元従業員が営業秘密を不正に持ち出しオープンAIに提供したと主張している訴訟に関連し、オープンAI側は「アップル自身のずさんな管理が招いた事態だ」と反論する書面を裁判所に提出したと発表しました。
この訴訟は、アップルを退職してオープンAIに移籍した元従業員2人が、AIハードウェアデバイスの開発を支援する目的で、アップルのハードウェア設計などに関する機密情報を盗み出したかどうかが争点となっています。アップルは、2人の技術者が退職後に機密の技術ファイルをダウンロードしたと主張しています。
アップルは、元従業員の1人が所有するパソコンを解析した結果、自社の知的財産への違法なアクセスの証拠となる「衝撃的な事実」を4点発見したと発表しました。
これに対し、オープンAIも同日に反論の書面を提出したということです。ロイター通信の報道によりますと、オープンAIは書面の中で「従業員はAIの導入に苦戦する企業を離れ、革新的な製品を開発する新興企業に移籍する自由がある」と指摘しています。さらに、「アップルは自らのずさんな情報管理の手続きを棚に上げ、他者に責任を押し付けることはできない」として、事態の原因はアップル側の管理体制の甘さにあるとする見解を示しました。
企業が特定の情報を「営業秘密」として法的に主張するためには、適切な情報管理措置を講じていることが前提となります。オープンAI側は、アップルが機密情報を適切に保護していなかったと主張することで、仮に情報の使用が事実であったとしても、法的な責任を免れる戦略をとっているものとみられます。今後の裁判では、アップルの情報管理体制の妥当性が重要な争点になる方針です。
