アメリカのIT大手オープンAIは、健康に関する質問に対応する機能「ChatGPT Health」を、アメリカ国内の18歳以上のすべてのユーザーに向けて提供を開始したと発表しました。
この発表の前日には、フロリダ州の牧師が「医師の診察を受けないようAIから不適切な回答を受け、命に関わる事態に陥った」として同社を提訴したばかりでした。
同社は今年1月、専用の画面を通じてこの機能の試験運用を開始し、アップルの健康管理アプリなどの外部サービスから個人データを取り込めるようにしていました。オープンAIによりますと、当時、健康に関する質問は週に2億3000万回でしたが、現在では3億回に増加しているということです。
また、電子カルテを提供する病院のシステムや、医療プラットフォームの記録ともデータを連携できるとしています。
これまでは専用の画面を利用する必要がありましたが、試験運用中に健康に関する質問の7割が通常のチャットで行われていたことが分かりました。このため、今後は通常のチャットでも、連携したデータをもとに食事やアレルギーに関する情報を得られるようになるということです。
同社は、AIモデルが健康に関する質問に答える性能が向上していると強調しています。最新の小型モデル「GPT 5.6-Luna」は、自社開発の評価指標において従来のモデルを上回ったとしています。さらに、ユーザーのデータはAIの学習には使用せず、医師と協力して精度の向上に努めているということです。
一方で、オープンAIは利用規約において「健康状態の診断や治療を目的としたものではない」と明記しています。前述の訴訟に対してもこの規約を根拠としており、回答の安全性を高める取り組みを進めているとしています。利用にあたっては、専門家のアドバイスに基づき、自ら情報を確認して判断するよう求めています。
AIによる医療アドバイスの信頼性については、複数の研究で課題が指摘されています。しかし、グーグルなどの他のIT大手も健康関連のAI機能の開発を進めているのが現状です。
この新機能は今週中にも、アメリカ国内のすべてのプランのユーザーを対象に、ウェブ版とスマートフォン向けアプリで順次提供される方針です。
