アメリカのマッチングアプリ大手「バンブル(Bumble)」は、従来主流だった画面を左右に弾く「スワイプ機能」からの脱却を図り、現実世界での対面交流を重視する新たな事業方針を決定したと発表しました。若者世代のオンラインデーティング離れに対応する狙いがあるということです。
同社は投資家向けの第2四半期決算発表において、グループでの対面交流を目的とした新しいアプリ「プランズ(Plans)」の初期テストが好調であることを報告しました。ホイットニー・ウルフ・ハード最高経営責任者(CEO)は、「今後は現実世界での体験にさらに注力していく」と述べています。
競合の「ティンダー(Tinder)」も対面イベントの強化を打ち出しており、マッチングアプリ業界全体で「スワイプ時代」の終焉という大きな転換期を迎えているとしています。
ウルフ・ハードCEOは、「グループでの交流は、Z世代(1990年代中盤から2010年代序盤に生まれた世代)が好む自然な出会いの形です。グループで集まり、相性を確かめ合うことが今後さらに重要になる」と説明しています。同社はこれまでも、友人作りに特化した機能を通じて、若年層の女性を中心に一定の支持を集めてきました。
新アプリ「プランズ」は、地域の飲食店などで少人数のグループ交流を行う機会を提供するものです。恋愛を主目的としないことで初対面の心理的負担を減らし、そこから深い友人関係や恋愛に発展させることを想定しているということです。また、利用者は電話番号を交換したりスワイプしたりすることなく、バンブルのアプリ上で連絡を取り続けることができます。同社は「スワイプ不要」であることを利点として強調しており、従来の仕組みが若い世代のニーズに合わなくなっていることを示唆しています。
さらに、ウルフ・ハードCEOは、スワイプ機能を完全に置き換える新しいシステムの開発を進めている方針を明らかにしました。
「スワイプの速度を重視する仕組みから、より意図的で質の高い出会いを提供する仕組みへと移行する」としています。具体的な機能については競合対策として公表を控えましたが、現実世界の出会いに近い形を再現し、現在のアプリが抱える摩擦や遅延を解消する設計になるということです。移行にあたっては、利用環境への影響を避けるため段階的に進める方針です。
あわせて、検索精度の向上に向けて人工知能(AI)技術を活用する計画も示しましたが、AIが主導するサービスにはならないと強調しています。
一方、同社の業績は依然として立て直しの途上にあります。第2四半期の売上高は前年同期比15.2%減の2億1050万ドル(約326億円)となりました。また、第3四半期の業績見通しでも有料会員数の減少が見込まれており、株価は下落しています。
