アメリカの著名な実業家であるマーサ・スチュワート氏が共同創業者として参画する人工知能(AI)関連のスタートアップ企業「Hint」は、住宅の維持管理を支援するスマートフォン向けアプリの提供を開始したと発表しました。
このアプリは、住宅のメンテナンスのスケジュール管理やエネルギーの効率化、土壌や空気の質の確認、保険請求の評価などをAI技術を活用して支援するものです。また、住宅に関する契約書や請求書などの各種データを保存し、内蔵されたAIアシスタントを通じて必要な情報を検索できるということです。
最高技術責任者(CTO)を務めるカイル・ラッシュ氏によりますと、スチュワート氏は単なる出資者ではなく、共同創業者として事業に深く関与しているとしています。アプリの設計やブランド構築、提供する情報の正確性の確認などについて、週に複数回の協議を重ねているということです。
「Hint」は当初、住宅の脱炭素化を支援するツールとして2024年に開発が始まりました。その後、住宅管理全般にAIを活用する需要が高いと判断し、事業方針を転換したとしています。
利用者は、自宅の住所を入力することで、公的な記録や気象、土壌などのデータをもとに住宅のプロファイルを作成できます。さらに、住宅設備の写真を読み込ませることで、AIが適切なメンテナンス方法や時期を提案する仕組みとなっています。スチュワート氏が長年培ってきた住宅管理の専門知識が、これらの機能の開発に生かされているということです。
また、アプリ内にはAIチャットボットが搭載されており、エアコンの点検履歴や電気料金の確認、住宅保険の補償内容の妥当性など、利用者の質問に回答する機能も備えています。
今後の事業戦略について、同社は基本的なAI機能を引き続き無料で提供する一方、将来的に複数の物件を管理できる有料のプレミアムサービスを導入する方針です。現在の収益源は提携するサービス事業者からの紹介料ですが、AIによる推奨機能の客観性を保つため、収益部門とは切り離して運用しているとしています。
同社はこれまでに、複数の投資ファンドなどから1000万ドル(約15億5000万円)の資金調達を実施したということです。アプリは現在、iOS向けに無料で提供されており、同社は「全米のすべての住宅所有者に利用してもらいたい」としています。
