アメリカのスタートアップ企業は、AI=人工知能を活用してスマートフォンの画面への過度な依存を防ぎ、現実世界での活動を促す新しいSNS「Bond」の提供を開始したと発表しました。
従来のSNSは、利用者を長時間画面に引きつけ、広告を見せるように設計されてきました。しかし近年、こうした仕組みによる利用者の疲労感に着目し、現実世界での体験を促すサービスや、無限にスクロールする機能を省いた製品を提供する企業が増加しています。
こうした中、新たに提供が開始された「Bond」の共同創業者であるディノ・ベシロビッチCEOは、同社のプラットフォームが画面依存の問題に対してAIを活用した解決策を提供するとしています。
このプラットフォームでは、利用者が一般的なSNSと同様に、写真や動画、音声などを通じて自身の日常を「思い出」として投稿します。最大の特徴は、蓄積されたデータをもとにAIが利用者の好みを学習し、現実世界での行動を提案する点です。
例えば、ベトナム料理についての投稿が多い利用者には近隣の評価の高いレストランを提案したり、特定の音楽ジャンルを好む利用者には関連するコンサートの情報を通知したりするということです。利用者が経験を投稿すればするほど、より精度の高い提案が行われる仕組みとなっています。
アプリの画面は画像共有アプリの「Instagram」に似ていますが、従来のようなタイムラインのフィードは存在しません。利用者の投稿は24時間で公開画面から消えますが、非公開のアーカイブとして保存され、いつでも振り返ることができるということです。
開発チームには、TikTokや旧Twitter、Facebookなどの大手SNSの開発経験者のほか、GoogleのAI開発に携わった研究者も参加しているということです。
また、同社は広告に依存しない新たな収益モデルを掲げています。将来的な構想として、利用者が自身のデータをAI開発企業に学習用として提供し、対価を得る仕組みを検討しています。この際、会社側は少額の手数料を徴収することで継続的な収益を確保する方針です。
さらに、蓄積されたデータを活用して電子商取引サイトと連携し、商品の推奨ツールとして機能させる案も示しています。
プライバシー保護について、ベシロビッチCEOは「利用者のデータを広告目的で販売することは決してない」と強調しています。利用者は自身のデータを自由に削除できるほか、今後は暗号化技術の向上など、データ管理の機能をさらに強化していく方針です。
当面は収益化よりも、利用者が日常を記録することで価値を感じられるサービスの構築に注力するとしています。
