アメリカのIT大手アップルが、独占禁止法違反をめぐる訴訟で韓国のサムスン電子に証拠提出を求めていることについて、アメリカ司法省は、アップルの対応が遅すぎると批判し、裁判のスケジュールを遅らせるべきではないとする書面を裁判所に提出したことがわかりました。
この訴訟は、アップルがスマートフォン市場などで独占的な地位を乱用しているとして、アメリカ司法省が同社を提訴しているものです。アップルは先週、自社の規約が反競争的な影響を与えていないことや、市場の競争状況を証明する方針のもと、韓国のサムスン電子に対し、関連する文書の提出を求める手続きを行いました。
アップルによりますと、サムスンのアメリカ法人が「関連文書は韓国の親会社のみが保管している」として提出を拒否したため、ニュージャージー州の連邦地方裁判所に対し、国際的な証拠収集を定めた「ハーグ証拠収集条約」に基づく正式な要請書を出すよう求めたということです。
これに対し、アメリカ司法省は裁判所に提出した書面の中で、アップルの要請を批判しています。司法省は、「アップルはサムスンがこの訴訟において重要な立場にあり、韓国の親会社が関連文書を持っている可能性が高いことを以前から把握していた」と指摘しました。
そのうえで、アップルの要請は時期が遅すぎるとし、証拠開示の手続き期限までに完了する可能性は低いと主張しています。司法省は、「複雑で時間のかかる外国での法的手続きを理由に、証拠開示の期限を延長したり、裁判を遅らせたりするべきではない」としています。
一方で司法省は、裁判所がアップルの要請を認めるかどうかについては特定の立場をとらないとしており、あくまで裁判のスケジュールに遅れが生じる可能性を懸念する姿勢を示しています。
