アメリカの保険テクノロジー分野の新興企業で、有力投資ファンドの支援を受ける「コーギー(Corgi)」は、他社のオープンソースソフトウェアを盗用したとする疑惑について、事実ではないと否定したと発表しました。
この疑惑は、データ共有ソフトを手がける「ペーパーマーク(Papermark)」の共同創業者がSNS上で指摘したものです。コーギー社が新たに発表した「データルーム」という製品において、ペーパーマーク社の製品と機能や説明文が完全に一致しているとして、著作権の侵害にあたると主張していました。
これに対し、コーギー社のニコ・ラクア最高経営責任者(CEO)は、両社のプログラムのソースコードは異なっているとする証拠を提示し、コードの盗用を全面的に否定しました。一方で、AIに指示を出してプログラムを生成する手法(バイブコーディング)を用いた結果、既存の製品と外観や機能が類似してしまったと認めています。
コーギー社の広報担当者は、問題となった画面の視覚的な要素はすでに修正したとしています。また、ペーパーマーク社が自社より安価なサービスを提供されたことへの反発から疑惑を提起したとの見方を示しました。さらに、コーギー社は疑惑を指摘した人物に対し、投稿の削除を求める警告書を送付したということです。
今回の騒動は、AIを活用した開発手法をめぐる新たな課題を浮き彫りにしています。ソースコードそのものを複製していなくても、AIによって他者の作品の外観や機能を簡単に模倣できるようになった現在、法的な著作権侵害には当たらなくても、倫理的な観点から議論を呼ぶケースが今後増加するとみられています。
コーギー社をめぐっては、これまでにも複数の元従業員を提訴するなど、法的な対応を多用する企業として知られています。また、ラクアCEOが「週7日働くことを従業員に期待する」と発言し、長時間の労働を推奨する姿勢が物議を醸していました。専門家の研究では、日常的な長時間労働は生産性を低下させることが指摘されています。
一方で、同社はAI関連の新興企業としても異例の速さで資金調達を進める方針です。先月には約164億円(1億600万ドル)を調達し、企業価値は約4030億円(26億ドル)と評価されたということです。これは、企業価値を約2015億円(13億ドル)として約248億円(1億6000万ドル)を調達したと発表したわずか3週間後であり、さらに約167億円(1億800万ドル)の調達から4か月後のことで、市場から高い関心を集めています。
