アメリカの防衛関連のスタートアップ企業「マッハ・インダストリーズ(Mach Industries)」は、シリーズCの追加ラウンドで新たに6億ドル(約930億円)の資金を調達し、企業価値が37億ドル(約5735億円)に達したと発表しました。
同社は今年6月に、企業価値18億ドル(約2790億円)の評価で3億ドル(約465億円)を調達したと発表していました。今回の追加調達により、わずか3か月で企業価値が2倍に跳ね上がったことになります。また、2025年6月に発表された前回のラウンドでも、企業価値4億7000万ドル(約728億5000万円)の評価で1億ドル(約155億円)を調達しており、急速な成長を続けているということです。これら一連の資金調達には、リビット・キャピタルやインフィニット・キャピタル、ベッドロック・キャピタル、セコイア・キャピタルなどの投資会社が名を連ねています。
マッハ・インダストリーズは、垂直離着陸が可能なドローンや長距離攻撃システム、対ドローン防衛システムなど、さまざまな無人軍事車両や兵器を製造しています。カリフォルニア州ハンティントンビーチの本社に約1万平方メートルの製造施設を構えるほか、州内に複数の拠点を展開しています。
同社は、既存の防衛大手企業よりも低コストで、高度に統合されたシステムを構築することを事業戦略の柱としています。その一環として、今年5月には固体ロケットモーター(SRM)を開発するスタートアップ企業「エクスクアドラム(Exquadrum)」を、現金と株式の交換を合わせ5000万ドル(約77億5000万円)で買収しました。この買収にあたっては、ほかに8社の候補を退けて合意に至ったとしています。
近年、ドローンの需要拡大に伴い、2社の大手企業が寡占する市場では固体ロケットモーターの供給不足が課題となっています。同社はエクスクアドラムの買収を通じて、この供給網の課題解決を図る方針です。現在では、他社向けに固体ロケットモーターなどを製造する新部門「マッハ・エナジェティクス」を設立したほか、「マッハ・プロパルジョン」と呼ばれる部門でジェットエンジン製造にも着手し、同様の供給不足の解消を目指しているということです。
マッハ・インダストリーズは、現在22歳のイーサン・ソーントン最高経営責任者(CEO)によって設立されました。同氏は19歳でマサチューセッツ工科大学(MIT)を中退して起業し、アメリカの有力ベンチャーキャピタルであるセコイア・キャピタルから、防衛テック分野として初となる出資を引き出しました。同社は、シリコンバレーの有力投資家が多額の資金を投じる防衛テック企業の典型例となっています。
今年に入り、アメリカ陸軍との契約を獲得したことで、同社はさらに注目を集めています。これまで金融テクノロジー分野への投資で知られ、最近ではAI関連企業への出資を拡大しているリビット・キャピタルからも資金を調達するなど、投資家からの関心がいっそう高まっているということです。
