オランダのアムステルダムに拠点を置くスタートアップ、Polarsは、人気のあるオープンソースプロジェクト「Polars」を展開しており、Accelが主導するシリーズAラウンドで約21億円(1ユーロ=165円換算)を調達したと発表しました。このラウンドには、Bain Capital Partnersやエンジェル投資家も参加しています。
Polarsの創設者であるリッチー・ヴィンク氏は、COVIDの時期にパンダスの限界にフラストレーションを感じ、データテーブルを効率的に処理するためにRustで新しいクエリエンジンを開発しました。このプロジェクトは5年後、データサイエンティストやチームに広く利用されるようになり、そのパフォーマンスと人気がベンチャー投資家の注目を集めることになりました。
Polarsは、スケーラブルなビジネスへの成長を目指しており、今月、クラウドでクエリを大規模に実行できる管理データプラットフォーム「Polars Cloud」を開始しました。これにより、Polarsは商業的な成功を目指す方針です。
Accelのパートナー、ジェニャ・ロギノフ氏は、「Rustで何かを再構築すると良くなるというのはジョークですが、それだけでは持続可能な優位性にはなりません」と述べています。ヴィンク氏と共同創設者のチール・ピータース氏は、Polars CloudやPolars Distributedなどの製品を構築することに注力しています。
Polars Distributedは、ペタバイト規模のデータをサポートする分散エンジンで、現在パブリックベータ版が利用可能です。この新機能の構築に多くの資金が投入される予定です。Polarsは、Apache Sparkに挑戦することを目指しています。
Polarsは、2023年にBain Capitalが主導するシードラウンドで約6億円(1ドル=155円換算)を調達しましたが、Pandasの市場シェアを狙うことがその理由でした。しかし、Polars Distributedのような商業プラットフォームの開発がなければ、収益化の道は不明瞭であったとしています。
Polarsのコア製品はすでに金融、ライフサイエンス、ロジスティクスなどの分野で利用されていますが、Polars CloudとPolars Distributedは新たな章を開いています。
他の創業者に対して、ロギノフ氏はヴィンク氏の経験から学ぶべき教訓を指摘しています。「Polarsは、大きな問題に取り組んだことで成功しました。技術が古くなっている分野でニッチを見つけたのです。大きな問題を見つけることをお勧めします」と述べています。
