アメリカのIT大手アマゾン傘下で自動運転技術を開発する「ズークス(Zoox)」は、南部ジョージア州アトランタで実施していた自動運転のテスト走行を一時停止したと発表しました。テスト車両に搭乗していた従業員が有毒ガスを吸い込んだ疑いがあり、体調不良を訴えたためだということです。
アメリカ労働安全衛生局(OSHA)がズークスに宛てた文書によりますと、先月、最大で40人の従業員が車内で一酸化炭素や二酸化炭素、または硫化水素などのガスに曝露した可能性があるということです。従業員からの苦情を受けたOSHAは、会社側に原因を調査するよう指示しました。一方、ズークス側は影響を受けた人数はより少ないとしています。
関係者によりますと、8月中旬にテスト車両に乗っていた従業員が嘔吐やめまいなどの症状を訴えたということです。しかし、会社側は体調不良を訴えた従業員に対し、別の車両で業務を継続するよう指示したとされています。その後も別の従業員が体調不良を訴え、救急通報される事態も起きました。
ズークスはOSHAに対し、テスト車両を点検して12ボルトのバッテリーを交換したと報告しています。また、今後の対策として車両に二酸化炭素などのガスを検知するモニターを設置する方針です。会社側は「従業員の安全と健康が最優先事項であり、徹底的な調査を行う間、アトランタでのテスト走行を停止する」としています。なお、完全電気自動車である専用設計のロボタクシーには影響はないということです。
ズークスは、自動運転分野で市場をリードする「ウェイモ(Waymo)」などに追いつくため、新たな都市への進出や事業の拡大を急ぐ方針を示しています。しかし、急激な成長に伴い、安全確認を担う従業員のリスクが高まっているとの指摘も出ています。
他社が電気自動車をテスト車両に採用しているのに対し、ズークスはガソリンエンジンを搭載したSUVを改造して使用しています。車両の改造は排気ガスなどが車内に漏れ出すリスクを高める可能性があり、今回の問題の背景にあるとみられています。
