アメリカのIT大手アマゾン・ドット・コム傘下の自動運転開発企業「ズークス」は、年内の商用サービスの開始に向けて、専用に開発した自動運転タクシーの改良版を発表しました。
ズークスによりますと、今回の改良は乗客の意見を取り入れたもので、快適性や機能性の向上を図ったということです。
車両の基本的な機能は維持されています。箱型の電気自動車で、ハンドルなどの操縦装置を持たない設計となっています。また、車両の周囲を認識するための40個のカメラやレーダー、赤外線センサーなどを引き続き搭載しています。さらに、前後どちらの方向にも走行できる双方向走行や、最高時速およそ120キロで4人を輸送する能力も備えているということです。
内装については、多くの乗客を輸送する商用サービスを見据え、座席やヘッドレストのクッション性を高めました。また、車内の色調を明るい緑色やグレーに変更し、落ち着いた空間を演出するとともに、スマートフォンなどの忘れ物を見つけやすくしたとしています。このほか、充電パッドの改良やカップホルダーの拡大、タッチスクリーンの視認性向上なども行われました。
外装面では、視認性を高めるために反射板の配置を見直したほか、ドア部分にスピーカーとマイクを追加しました。これにより、乗客や周囲の歩行者、さらにはサポートセンターや救急隊との双方向の音声通信が改善されるということです。
ズークスのデザイン担当幹部は、「今回の改良により、私たちの自動運転タクシーの体験が、現在利用可能なほかのサービスとさらに差別化される」と述べています。
量産に向けた準備も進められています。ズークスは去年、カリフォルニア州に生産施設を開設しており、将来的には年間1万台、1週間に最大100台を生産する体制を整える方針です。
一方で、本格的な生産や有料サービスの開始に向けては課題も残されています。車両にはアメリカの連邦法で義務付けられている標準的な操縦装置がないため、ズークスは商用利用の免除を申請しています。現在は、アメリカ運輸省道路交通安全局の判断を待っている状況で、承認が得られ次第、有料での乗車サービスを導入する方針です。
現在、同社はテキサス州オースティンやカリフォルニア州サンフランシスコ、ネバダ州ラスベガス、フロリダ州マイアミで、テスト走行と無料の乗車サービスを提供しているということです。
