アメリカの電気自動車大手テスラが展開する自動運転システムについて、関係当局による調査が相次いでおり、監視の目が一段と強まっていることが明らかになりました。また、自動運転技術の導入に向けた各社の動きや、モビリティ業界における多額の資金調達が活発化しています。
テスラが提供する自動運転システム「FSD(Full Self-Driving)」に対する監視が強まっています。テキサス州で発生したテスラ車による死亡事故について、運転手は事故当時、運転支援システムが作動していたと警察に説明しました。一方、テスラのAIソフトウェア担当副社長は、運転手がアクセルを最後まで踏み込み、手動で操作していたとSNS上で主張しています。
この事故を受け、アメリカのNHTSA(運輸省道路交通安全局)とNTSB(国家運輸安全委員会)は調査を開始したと発表しました。また、テスラは2023年に発生したFSD使用中の別の死亡事故に関する訴訟で和解したということです。この事故は、視界不良時におけるシステムの対応能力に関するNHTSAの調査対象にもなっています。テスラがAIおよびロボティクス企業としての位置づけを強化する中、FSDはその中核となる製品として注目されています。
自動運転開発のウェイモ(Waymo)は、中国の吉利汽車(ジーリー)傘下のブランドと提携し、ロボタクシー専用の電気自動車の導入を進めています。調査会社の報告によると、ウェイモは今年、アメリカ国内に約3156台の車両を輸入する計画を進めているということです。これらの車両はスウェーデンで設計され中国で製造されていますが、アメリカの規制に対応するため、中国製の通信モジュールは搭載されていません。アメリカ到着後にウェイモの自動運転システムが組み込まれる方針です。また、ウェイモはドイツに法人を設立し、同国でのロボタクシーサービスの展開に向けた準備を進めているとみられます。
モビリティ業界では資金調達や事業再編の動きも相次いでいます。ロボタクシーの点検・充電ポッドを開発する「Aseon Labs」は、1000万ドル(約15億5000万円)の資金調達を実施したと発表しました。大型貨物ドローンを開発する「Elroy Air」は、特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じた上場計画を明らかにし、評価額は約10億ドル(約1550億円)に上るということです。自動車修理サプライチェーン向けのAIツールを手がける「Partly」は5000万ドル(約77億5000万円)を、アフリカのEVインフラを展開する「Spiro」は5500万ドル(約85億3000万円)をそれぞれ調達しました。さらに、EV向け充電インフラを提供する「Terawatt Infrastructure」は、最大3億ドル(約465億円)の融資枠を確保したとしています。
一方、規制や安全基準に関する新たな動きも出ています。アメリカ運輸省は、自動運転専用に設計された車両からブレーキペダルの搭載義務を免除する規制改正案を提示しました。配車サービス大手の「Lyft」は、自動運転車に対する独自の安全基準を公表し、複数のセンサーを搭載していない車両はネットワークから除外する方針を示しました。これにより、カメラのみを使用するテスラのロボタクシーなどは対象外になるということです。
このほか、新興EVメーカーの「Lucid Motors」は、競争力強化に向けた合理化の一環として、従業員の18%にあたる約1500人を削減すると発表しました。スウェーデンのEVメーカー「Polestar」は、中国製のコネクテッドカー技術を制限するアメリカの法律により、アメリカ市場での新車販売ができなくなったことが明らかになりました。「Slate Auto」は、価格が2万4950ドル(約387万円)からのシンプルな構造の小型EVトラックを発表しています。
