アメリカ連邦議会のロン・ワイデン上院議員(民主党)は、連邦捜査機関が国民に対してハッキングツールやスパイウェアをどのように使用しているかについて、透明性が欠如しているとして、政府の監査機関に実態調査を行うよう要請したと発表しました。
ワイデン議員は、連邦政府の監査を担うアメリカ政府監査院(GAO)に書簡を送りました。この中で、FBI=連邦捜査局や麻薬取締局、移民・関税執行局の国土安全保障調査部門、そしてシークレットサービスが、捜査においてハッキングツールやスパイウェアをどのように運用しているか、包括的な調査に乗り出すよう求めたということです。
公開された書簡によりますと、ワイデン議員は「これらのツールは20年以上にわたって使用されてきたにもかかわらず、その規模や頻度、運用上の安全対策に関する公開情報がほとんど存在しない」と指摘しています。
また、電話の受発信履歴を記録する通信傍受などとは異なり、政府は「ハッキング操作に関する年次報告書を公表していない」としています。そのため、GAOに対して、調査結果と勧告をまとめた機密指定のない報告書を公開するよう求めたということです。
連邦捜査官は長年にわたり、ハッキングツールやスパイウェアを度々使用してきました。しかし、ワイデン議員が書簡で指摘しているように、アメリカ司法省やFBIは「複数の政権にわたり、透明性の向上を求める議会からの要請を繰り返し無視してきた」ということです。
ワイデン議員はGAOに対し、いくつかの具体的な調査を要請する方針です。
特に、ハッキングツール調達をめぐる危険性を強調するため、防衛関連企業の元幹部が高度なハッキングツールを盗み出し、ロシアの仲介業者に売却した事件に言及しています。その結果、これらのツールはロシアのスパイによってウクライナに対して使用されたほか、中国のサイバー犯罪者によって暗号資産の所有者に対しても悪用されたということです。
FBIがスパイウェアを使用した記録として最も古いものは、1999年にさかのぼります。違法賭博と高利貸しの捜査において、連邦捜査官は、犯罪組織のメンバーが重要な証拠が含まれているとみられるコンピューター上のファイルを、専用のソフトを使って暗号化しているのを発見しました。
このファイルにアクセスするため、FBIはコンピューターのキーボード入力を記録する初期のマルウェア(悪意のあるソフト)をインストールし、ファイルの暗号を解除することに成功したということです。
