アメリカの超党派の議員グループは、顧客から報酬を得てサイバー攻撃を請け負うインドの企業3社について、アメリカ政府に対し、事実上の禁輸措置の対象に指定するよう要請したと発表しました。
民主党と共和党の議員らはこのほど、アメリカ商務省のルトニック長官宛てに書簡を送りました。書簡では、インドに拠点を置く「BellTroX」、「CyberRoot」、「Sunkissed Organic Farms(旧名:Appin)」の3社を、安全保障上の懸念がある企業をまとめた「エンティティ・リスト」に追加するよう求めています。
このリストに追加された場合、アメリカ企業との取引が原則として禁止されます。これにより、対象企業はソフトウェアのライセンスやクラウドインフラなど、事業の継続に必要な重要技術を利用できなくなるということです。
議員らによりますと、これらの企業は10年以上にわたり、進行中の訴訟を有利に進める目的で、アメリカの経営者や弁護士などを標的にサイバー攻撃やスパイ活動を行ってきたとしています。これまでに数千人のアメリカ人からデータを盗み出したと指摘しています。
さらに議員らは、これらの企業が外国の裁判所を悪用し、自らの活動に関するアメリカ国内での報道を差し止めるなど、事実上の検閲を行っていると非難しています。議員らは「外国の事業体が外国の裁判所を利用して、アメリカ国民からサイバー脅威の事実を隠蔽するものであり、市民の基本的人権を損なうものだ」としています。
対象となった企業のうち1社は過去に、インドの裁判所を通じて大手通信社に対し、自社に関する報道記事の削除を命じる決定を出させたことがあります。その後、決定は取り消され、記事は再掲載されました。
また、書簡では、これらの企業がカタール政府の指示を受けて活動していた疑いも指摘されています。過去には、2022年のワールドカップ開催計画を保護する目的で、カタールの指示により国際サッカー連盟(FIFA)の幹部に対するサイバー攻撃に関与したと報じられています。
アメリカ商務省が今回の要請を受けて、実際にこれらの企業を制裁対象に指定するかどうかは明らかになっていません。また、名指しされた企業やカタール政府からは、これまでのところコメントは出されていないということです。
