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アメリカの水道施設にサイバー攻撃相次ぐ イラン政府の関与疑い

AI要約複数の情報源を統合して作成しています

アメリカ国内の複数の水道施設が広範囲なサイバー攻撃を受けており、情報機関はイランの精鋭部隊である革命防衛隊の関与を疑って調査を進めています。

Image Credits:Nouvelage/Bloomberg / Getty Images

アメリカで先月末以降、複数の水道施設を狙ったサイバー攻撃が相次ぎ、アメリカ政府などが警戒を強めていることがわかりました。一連の攻撃にはイラン政府の関与が疑われており、重要インフラの安全確保に向けた対策が急務となっています。

アメリカ国内の水道施設や電力などの重要インフラは、長年にわたり国家の支援を受けたハッカーや個人の標的となってきました。今回、イランによるものとみられる攻撃は、アメリカ国内の十数州に及ぶ広範囲なものであり、事態の深刻さが指摘されています。

アメリカには15万以上の水道システムが存在し、その多くは地方の事業者が運営しています。施設が分散しているため、同時に複数の施設を攻撃することは理論上難しいとされています。しかし一方で、地方の事業者にはサイバーセキュリティーに関する十分な資金や専門知識が不足しているという課題も浮き彫りになっています。

専門家はこれまで、イランのハッカー集団は比較的防御が手薄な標的を単発的に狙う傾向があると考えてきました。そのため、今回の広範な攻撃は、手口が大きくエスカレートしたものとみられています。

攻撃の全容は徐々に明らかになっています。7月28日には、中西部ミネソタ州の当局が、30以上の地域の浄水場が組織的なサイバー攻撃を受けたと発表しました。

その2日後には、FBI=連邦捜査局が、少なくとも7つの州の水道および下水処理事業者から被害の報告があったと明らかにしました。一部の施設では「水道の運用が低下した」ということです。ミネソタ州のほかにも、アーカンソー州、ジョージア州、ニュージャージー州、ミシガン州などで被害が確認されています。

現時点で、アメリカ政府は一連の攻撃を実行した犯人を公式には特定していません。しかし、最も有力な関与先としてイラン政府が浮上しているということです。

ミネソタ州での最初の被害が確認される数日前、アメリカのCISA=サイバーセキュリティー・インフラセキュリティー庁は、イランのハッカーが水道システムやエネルギー部門のインターネット接続機器を標的にしていると警告していました。

一方で、トランプ前大統領は、イランによるサイバー攻撃だとは思わないとの見方を示しました。そして、被害を受けたミネソタ州の対応を批判しました。ミネソタ州のウォルズ知事は、今年の大統領選挙に向けた民主党のハリス副大統領の副大統領候補に選ばれており、政治的な思惑も背景にあるとみられます。

しかし、アメリカの有力紙ワシントン・ポストは、アメリカの情報機関がイラン、特に精鋭部隊である革命防衛隊が関与していることに「自信を持っている」と報じました。公式な非難声明が出されていない理由として、革命防衛隊のどの部隊が関与したか特定できていないことや、トランプ前大統領の主張と対立することを当局者が懸念している可能性が指摘されています。

イランの政府系ハッカーは、過去にもアメリカの重要インフラを標的にしてきた歴史があります。今年3月には、「ハンダラ」と呼ばれるハッカー集団が医療機器大手のシステムを妨害しました。アメリカ政府は後に、この集団がイラン情報省の指揮下にあると非難しています。さらにこの集団は、政府高官のカッシュ・パテル氏の個人メールアカウントをハッキングしたと犯行声明を出しています。

セキュリティー企業の報告によりますと、アメリカの水道システムでは2,800以上の制御装置がインターネット上に露出しており、外部からアクセスしやすい状態にあるということです。システムが露出しているからといって直ちに制御を奪われるわけではありませんが、今回の攻撃では実際に被害が生じています。

FBIによりますと、各地のサイバー攻撃によって水圧が低下し、未処理の地下水が水道管に浸入するおそれや、洪水が発生する危険性が生じたということです。

ミネソタ州の自治体では、浄水場を数時間停止し、およそ1,700人の住民に節水を呼びかけました。また、別の自治体では一時的に非常事態を宣言したほか、南部ジョージア州では、予防措置として水を使用する前に煮沸するよう住民に勧告する事態となりました。

専門家は、今回の攻撃による最大の被害は心理的な影響かもしれないと指摘しています。生活に欠かせない水の安全性が脅かされることで、人々の間にパニックや恐怖を広げることが、ハッカー側の狙いの一つである可能性が高いとしています。

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