アメリカの電気自動車大手テスラは、自動運転タクシー「サイバーキャブ」など最新製品の量産計画について、目標時期を遅らせる見通しを明らかにしたと発表しました。同社は電気自動車メーカーからAIおよびロボティクス企業への転換を進めており、次世代製品への投資が急増しているということです。
テスラが公表した第2四半期の株主向け書簡によりますと、自動運転タクシー「サイバーキャブ」、商用トラック「テスラ・セミ」、および商業用蓄電システム「メガパック3」の3つの最新製品について、2026年に量産を達成するという計画を取り下げたということです。また、第1四半期の書簡に記載されていた、人型ロボット「オプティマス」の量産に関する記述も削除されました。
同社は、サイバーキャブやテスラ・セミの本格的な生産を開始するため、自社製の「4680」規格のバッテリーセルの生産拡大に取り組んでいるとしています。メガパックの量産を延期した理由は明らかにされていませんが、イーロン・マスクCEOはオプティマスの製造に関する課題について言及しました。マスク氏は電話会見で、「ロボットのすべての部品が新しいため、テスラがこれまで製造してきた製品の中で、量産化が最も難しい製品になるだろう」と述べています。
テスラは現在、電気自動車メーカーからAIおよびロボティクス企業への移行を目指しており、次世代製品への多額の投資を行っています。第2四半期の純利益は前年同期比5%減の11億ドル(約1,705億円)となりました。設備投資が倍増したことなどから、フリーキャッシュフローはマイナス10億ドル(約1,550億円)に転落したということです。
一方で、売上高は増加しています。第2四半期の売上高は282億ドル(約4兆3,710億円)となり、前年同期の225億ドル(約3兆4,875億円)から26%増加しました。売上の大部分は電気自動車の販売とリースによるもので、自動車部門の売上高は前年同期の166億ドル(約2兆5,730億円)から205億ドル(約3兆1,775億円)へと大幅に改善しています。
第2四半期の車両引き渡し台数は48万台を超え、第1四半期から12万台以上増加しました。日本や韓国、オーストラリアなどアメリカ以外の市場での記録的な販売が全体を牽引したとしています。また、蓄電システムや太陽光発電部門の売上高も13%増の31億ドル(約4,805億円)と好調でした。さらに、高度な運転支援システム「FSD(フルセルフドライビング)」のサブスクリプション契約数も前年同期比56%増の148万件に達したということです。
しかし、新製品への投資拡大により利益率は圧迫されています。営業費用は47%増の43億ドル(約6,665億円)に膨れ上がり、営業利益は前年同期比57%減の3億9,800万ドル(約617億円)に落ち込みました。
テスラは、AIやロボティクス分野を牽引する企業への転換を引き続き進める方針です。目標達成に向けて支出を増やす計画で、2026年の設備投資額は過去の平均的な水準の約3倍となる250億ドル(約3兆8,750億円)に上る見通しだとしています。この春には、カリフォルニア州の工場で主力モデルである「モデルS」と「モデルX」の生産を終了し、人型ロボット「オプティマス」の生産スペースを確保するなど、新たな事業構造への移行を急ぐ方針です。
