アメリカのロボタクシー企業Zooxは、元Uberのライドシェア製品UberPoolのリーダーだったジェームズ・コックス氏が率いるスタートアップ「The Routing Company」と提携し、ルーティング技術の非独占ライセンスを取得したと発表しました。これは、Zooxのロボタクシーサービスの効率と拡張性を高める方針です。
コックス氏は2019年にUberを退社し、その後「The Routing Company」を設立しました。同社は、交通機関が乗客と車両を迅速かつ低コストでマッチングする技術を提供しており、これまでにアメリカの13州と5カ国で300万回の乗車を手配したということです。
今回の提携により、Zooxは「The Routing Company」から5人のエンジニアを迎え入れ、サービスの改善を図るとしています。また、コックス氏はZooxの最高製品責任者であるマイク・ホワイト氏のシニアアドバイザーに就任しますが、「The Routing Company」のCEOとしての職務も続けるということです。なお、エンジニアがZooxで開発する新技術は、すべてZooxに帰属する方針です。
ロボタクシー業界では、実際のフリート展開に向けて外部の技術を活用する動きが広がっています。例えば、Waymoは最近、UberやAvisとの運用パートナーシップを発表しました。また、昨年は配送スタートアップのNuroがトヨタ支援のForetellixにシミュレーション業務を委託し、研究開発コストの削減を図りました。
コックス氏は、今回の提携がロボタクシー分野での技術拡大に寄与することを期待していると述べています。Zooxも声明で、新しいチームメンバーがサービスの拡大を支援するとしています。Zooxは今年後半にサンフランシスコでの早期試乗プログラムを開始し、ラスベガスで有料の公共乗車サービスを提供する計画です。
コックス氏は、交通機関との協力が非常にやりがいがあり、挑戦的なものであったと振り返っていますが、ロボタクシー企業との協力により、技術とその利点がより迅速に普及する可能性があると期待しているということです。
コックス氏は、大規模なロボタクシーネットワークの構築には、より優れたルート最適化ソフトウェアが必要不可欠であると指摘しています。彼は「チェスを四次元でプレイし、ボードが溶けて駒が自動で動き、駒を動かすたびにコストがかかるようなものだ」と述べ、リアルタイムでの対応が求められると強調しています。