アメリカの自動運転車(AV)業界において、配車サービス大手と自動運転開発企業の提携見直しや、連邦政府による安全基準の厳格化など、事業環境が大きく変化していることが明らかになりました。また、新興電気自動車(EV)メーカーのRivianが大規模な資金調達を実施したと発表しました。
配車サービス大手のUberと自動運転開発企業のWaymoは、アリゾナ州フェニックスにおけるロボタクシーサービスの提携を終了しました。両社はアトランタやオースティンでの提携を維持していますが、今後これらの契約も終了する可能性が指摘されています。専門家の間では、提携解消後の両社の競争激化や、ロボタクシー市場への参入を巡る政策面での対立が懸念されています。
こうした中、アメリカ運輸省道路交通安全局(NHTSA)のジョナサン・モリソン局長は、自動運転車の開発企業に対し、車両が救急車や警察車両などの活動を妨げることは許容できないとする警告文書を発出しました。モリソン局長は声明の中で、「緊急事態を検知し適切に対応できないことは、機能的な欠陥です。緊急事態の現場は極端な例外事例ではありません」と指摘し、開発企業に対して今月末までに解決策を提示するよう求めています。
文書では特定の企業名は挙げられていませんが、アメリカ国内で最大規模のロボタクシーを運行するWaymoを念頭に置いたものとみられています。同社の車両はこれまでにも緊急車両とのトラブルが報告されており、7月4日の独立記念日には、サンフランシスコで多数の車両が立ち往生し、深刻な交通渋滞を引き起こしたということです。
一方で、アメリカ連邦政府は「2026年規制計画」を更新し、連邦自動車安全基準(FMVSS)の改定案を公表しました。この改定案は、ハンドルやペダルを持たない完全自動運転車の開発を進めるTeslaやZooxなどの企業にとって、実用化を後押しする内容になるとしています。
また、新興EVメーカーのRivianは、新たに約13億2,000万ドル(約2,046億円)の資金調達を実施する見込みだと発表しました。1株あたり15.50ドル(約2,400円)で株式を売却する方針です。同社は新型SUVの納車を開始したとしており、2026年の販売予測を上方修正しています。同社は現在も利益が出ておらず、今回の資金調達は生産能力の拡大に向けた投資に充てられるとみられています。
このほか、モビリティ業界では以下の動きが報告されています。
・自動車売買プラットフォームを運営するアメリカのBidbusが、1,500万ドル(約23億円)の資金調達を実施しました。 ・配車サービス大手のLyftが、スペインのServeoからシェアサイクル事業を買収する方針を明らかにしました。 ・イギリスのバッテリー開発企業TaiSanが、465万ポンド(約9億円)のシード資金を調達しました。 ・アメリカの保険会社AssuranceAmericaでデータ漏洩が発生し、690万人分の運転免許証情報が流出したということです。 ・電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発するアメリカのBeta Technologiesが、運輸省などのプログラムに基づく試験飛行を完了しました。
