アメリカのカリフォルニア州に拠点を置くスタートアップ企業「Aseon Labs」は、自動運転タクシー(ロボタクシー)の清掃や充電を無人で行う小型の専用施設を開発し、1000万ドル(約15億5000万円)の資金を調達したと発表しました。空車での走行距離を減らし、自動運転タクシー事業の収益化を支援する狙いがあるということです。
サンフランシスコなどの都市では、自動運転タクシーが客を乗せずに充電や清掃のために郊外の基地へ移動する姿が日常的に見られます。業界では「デッドヘッド・マイル(空車走行距離)」と呼ばれ、事業を黒字化するための大きな課題となっています。
この課題を解決するため、Aseon Labsは、駐車スペースほどの大きさの自動化施設(ポッド)を開発しています。都市の各所に配置し、ロボタクシーの点検、清掃、充電を自動で行う「ロボット版のピットストップ」として機能させる方針です。
同社は今回のシードラウンドで、ベンチャーキャピタルなどから1000万ドル(約15億5000万円)を調達しました。この資金を活用して5基のプロトタイプを製造するほか、技術者の増員や施設設置のための用地確保を進めるとしています。
同社のジョージ・カリジェロス最高経営責任者(CEO)は、「自動運転車が既存の配車サービスと競争し、利益を出すためには、車両の稼働率を上げる必要があります」と述べています。都市部に無人施設を分散させることで、空車での移動距離を大幅に削減し、ロボタクシー事業を収益性の高いものに変える戦略です。
カリジェロスCEOらは、以前にも電動モビリティ向けのバッテリー交換インフラを構築する企業を立ち上げ、売却した実績があります。その経験を生かし、今回の施設も「一時的な構造物」として設計しています。これにより、設置にかかる複雑な許可手続きを回避し、需要に応じて施設を別の場所に移動させることも可能になるということです。
施設はプロパンガスの発電機や、既存の電気自動車(EV)用充電器から電力を得て稼働します。内部には点検用のカメラや、車内の清掃や忘れ物の回収を行うロボットアームが備えられています。
また、最新のAI(人工知能)技術を活用し、ロボットが対応すべきでない問題を認識する仕組みも導入しています。例えば、座席に溶けたチョコレートがある場合、ロボットアームは清掃を行わず、車両を人間のスタッフがいる中央基地へ直接向かわせるということです。
Aseon Labsは現在、自動運転タクシー企業との正式な契約には至っていませんが、業界全体から広く関心が寄せられているとしています。
